【はじめに】
『持続可能な社会』という言葉が近年より聞かれるようになりました。おかげさまで我々小千谷青年会議所は、歴代の先輩方の修練・奉仕・友情の成果の恩恵を受けまして、持続可能な組織であり続けております。
2020年にJC宣言文が改訂され、『持続可能な地域を創る』という文言が置かれました。人間は成長しなければ、いつまでも何もできない赤ん坊のままです。それでは経済活動や地域活動、文化の担い手などの多くのことに弊害が出てしまいます。
『持続可能な社会』を実現するためには、どうすれば良いでしょうか。
それには我々JCメンバーが自身を鍛え、後輩を育てることが必要なのです。
自分ひとりでは達成できないミッションに立ち向かうリーダーが現れたとき、そこには応援し手助けする仲間が必要不可欠です。(修練・奉仕)
修練・奉仕に対し手助けをする者がおり、そこに感謝するリーダーとの協力関係が生まれます。(友情)
お互いに協力するには、自分自身が協力できるだけの能力を持つように努力しなければなりません。リーダーになるためにも、リーダーになれるだけの能力を持つように努力しなければなりません。先輩として後輩に教えるためには、教えられるだけの知識や能力が必要であるため、多様な経験・勉強をしなければなりません。そして、後輩も多くの経験をし、自身の能力を高めたいと思うバイタリティーが必要であると考えます。このような歴代の先輩方やJCメンバーみんなの意識が『持続可能な小千谷青年会議所』を創り上げてきました。そして、これからもこの持続可能な好循環を引き継いでいくことを誓います。
【会員拡大】
なぜ小千谷青年会議所が、持続可能な組織であり続ける必要があるのでしょうか。我々の命は有限です。後世に子孫を残すことと同様に、明日を生きたいと願った先祖の命の続きなのです。そのため、地域を想う気持ちの先輩は勉強し、後輩に伝えることで成長し、学びを受けることで後輩も成長します。青年会議所でしか経験できない体験をメンバーの一人ひとりが熱く語ることができるように、熱い意見を投じられるように成長していくことが大切です。また誤ってはいけないことは後輩だとしても、物事を能動的に推し進める影響力を持っていればリーダーになりえるということです。リーダーシップを発揮できる後輩たちが次々に出てくることで、私たち先輩がいなくても青年会議所の想いをより良く繋ぐことができます。このような同志やリーダーシップをもった後輩を増やすことで、この循環が生まれ、地域に我々の勉強したことが還元されます。本来の仕事で培ったノウハウを社会に還元する、いわゆるプロボノ活動に様々なヒントが眠っていると考えています。
【青少年健全育成からまちづくりへ】
「青少年健全育成はまちづくりである」と、入会当時から仲間に話してきました。私自身、スポーツ少年団を掛け持ちしたことで、充実した少年時代を過ごすことができました。そのときにお世話になった指導者を筆頭とした大人の方々には、学校では学べない、色々なことを教わり、私の人生の方向性を導いていただくような経験をさせていただきました。本当に感謝しています。
子供の時代に打ち込める目標を見つけて努力をすることは、将来において様々な好循環をもたらしてくれると考えています。目標を見つけることで努力をしやすくなり、その目標に近づくためには、何が必要か考え、仲間と競い、ときには仲間に相談できるようになります。仲間と切磋琢磨することで、人間性や競う競技においても、お互いに成長できます。その努力をするひたむきな姿勢は、大人になっても活かせるものがあります。つまり、努力ができる習慣が身につくということです。何か困難に直面したとき、潜在的に「このように処理すればこうなる」「このように努力すればこうなる」と考えられ、うまくいかなかった場合でも、その壁を乗り越えようとするだけの経験があり、挫折しない強さがあります。それでもうまくいかないときは、仲間に相談できる素直さがあります。そのような習慣がある子供たちが大人になり、様々な困難に直面し、それに向かっていくことになります。そのときに当時小さかった子供たちが、小千谷を想い小千谷で培った経験を活かしてその困難を乗り越えていく強さを見せてくれるでしょう。このようなたくましい子供時代の経験を通して、将来のまちづくりに繋がればと考えます。
【まちづくり】
まちづくりにおいて、2つの想いがあります。
1つは、子供たちが「小千谷が好き」「ふるさとを誇れる」そのように思える小千谷であってほしいという想いです。歳を重ねると仲間と共に切磋琢磨して過ごした年月が、とても素敵な思い出になります。その思い出もふるさとを誇れる1つだと思います。
もう1つは、関係者がWIN-LOSEではなく、「WIN-WIN」になるように検討し活動をすることで、小千谷をより良くしていきたいという想いです。そのためには、供給側の想いを推し進める供給主義的な考え方ではなく、需要側の意見を取り入れ、現場から逆算し、柔軟に物事を解決する必要があります。昨年度に行われた小千谷青年会議所の事業で『小千谷JCフードバンクプロジェクト』というものがありました。相対的貧困層と言われる生活保護を受給するに至らない方々に、余分になっている食料を循環させて『モノと希望が循環するまちを創る』ことを目的とした事業でした。非常にセンシティブな背景ではありましたが、背景、目的、WIN-WINとなる手段で、小千谷青年会議所の発想と行動力が成した事業だったのではないかと思います。たくさんの個人・企業よりご協力があり、感動いたしました。ご協力いただいた皆様、心より御礼申し上げます。『社会の課題を解決することで、持続可能な地域を創ることを誓う』とJC宣言文にもあるように、この事業はまさに、社会の課題を解決するために一石を投じた事業でした。また、関係者がWIN-WINとなるのかどうかを検討した事業でした。
我々小千谷青年会議所は、その能力を発揮し小千谷の困難に立ち向かい『持続可能な小千谷』に寄与していく組織です。
【終わりに】
何事も利益がなければ継続はできません。たとえば、当時の国連が発展途上国で食糧支援やインフラ整備として学校の開設、救急車の運用をおこないました。しかし、それらの事業は国連の予算が底を突いたときにピタリと終わりました。それはなぜか。お金という利益を生まなかったからです。お金を生まないとなると、前述の事業で働いている人が生活するだけの利益が生じないからです。これは『持続可能』ではありません。我々青年会議所はどうでしょう。お金ではない利益があるのではないでしょうか。その利益があるからこそ、今日まで小千谷青年会議所が『持続可能な組織』でいられたのではないでしょうか。そのお金ではない、人それぞれが感じる利益をつかむために、まず、JCI小千谷に入会して一緒に活動をしてみませんか。入会したら、成長できるように自分なりに努力をしてみてください。そうしたとき、本年度の基本理念である各々の『自分の居場所』を見つけられるのではないでしょうか。自分の居場所を見つけたとき、自分の能力を発揮して、人の役に立つ喜びを覚えるのではないでしょうか。