【はじめに】
小千谷青年会議所に入会して8年という歳月が経過しようとしています。小千谷青年会議所があったからこそ私は成長することができたと自負しております。まずは、この素晴らしい小千谷青年会議所をこれまで牽引してこられた諸先輩方へ心より御礼を申し上げます。
私はメンバーの個性と組織、この2つの要素が相乗効果を生む関係でないと成せる組織にはなれないと考えております。その2つのどちらかが足を引っ張ってしまった場合、避けなくてはならないことは、メンバー個人や担当者に責任やしわ寄せがいってしまうことです。基本理念にあります「想いを馳せ、呼応し合い、成せる組織・個性の醸成」とは、組織が個人のためにきちんと働くことができれば個人は組織を信頼でき、個性を十二分に発揮できると考え、この基本理念にいたしました。
利害関係が絡む組織だと人は時に残酷であり、利権争い、しがらみなど多くの要素が邪魔をして上記の組織の構築が難儀なこともありますが、私は青年会議所活動においては個人と組織がお互いに輝くことが可能だと強く信じております。
今年一年間、新しい生活様式を遵守し、以後語る所信の事業がきちんと執り行われることを祈願しまして、冒頭の挨拶に代えさせていただきます。
【小千谷青年会議所とは】
小千谷青年会議所は、「熱く心優しい組織」であり、メンバー同士の仲は良いですが、それだけの集団ではありません。青年会議所は会議体です。事業をより良く構築するために会議を繰り返し行います。この過程で、自分の思うようにいかず壁にぶつかったり、メンバー同士でも意見がぶつかったり、相手に想いが伝わらず、一人思い悩んだりします。そんな中でこそ新しい自分を発見し、成長できると私は思っております。青年会議所活動は、会員の会費で成り立っており、その中で活動を行っているので、メンバーにはそれ以上の対価を必ず得てほしいと強く願っております。そうして青年会議所で培ったものは、卒業後には仕事や家庭や地域の場で必ず活かせると確信しております。
また、私は青年会議所の当たり前と考えがちなところにも改めてメスを入れ、根底から考えてみる姿勢は、大いに仕事にも応用できると思っております。時代は着実に変わっていきます。それぞれの仕事に置き換えても当たり前にこなしてしまっていることはありませんか。是非、私も含めメンバーも一考していただき、本当にこのやり方で時代にあっているのか、もっと良いやり方はないかと模索し、より良い方向に仕事も青年会議所活動も進めていければと願っております。
【青少年健全育成について】
イギリスに「you can take a horse to the water ,but you can‘t make him drink」という諺があります。馬を水辺に連れていくことができても、水を飲ませることはできない。馬に無理やり水を飲まそうとしても飲んでくれません。青少年健全育成は思い通りにはならないというところに難しさがあります。思い通りにならないからといって子供に無理やり勉強や、習いごとをさせることにより、そのやらされたイメージだけが残ってしまい、勉強や習い事が嫌いになってしまうということになります。私は青少年健全育成とは、強制ではなく、子供たちの「自発性」を伸ばしてあげることが大切であると考えます。自発性が育たなければ主体性も育たず、大人になって指示を待つだけの人間となってしまいます。一人前の大人として自立して働くには、指示を待たずとも何をやるべきか、判断できる能力が求められます。
また、子供たちを地域全体で育む環境づくりを青少年白書で推進しております。地域教育とは地域社会の大人一人ひとりが、その一員であることの自覚を持ち、地域社会の活動を自主的に担っていくことが重要であります。現在、都市開発により公園の減少、スマートフォンや家庭用ゲーム機の発達により子供たちが家で過ごす時間が増加しています。そのため、地域教育が希薄になってきている現状があります。このような状況だからこそ、青年会議所として、また、地域社会の大人の一員として地域教育の一助となれるような活動をするべきであると私は考えます。
今年は2013年以来、わんぱく相撲県大会が小千谷の地で行われます。より多くの小千谷市の子供たちが県大会に進み、各地の子供たちと相撲を通して交流することで心も体も一周り大きく成長できることを祈念しております。
【まちづくりについて】
昨年、新型コロナウイルスの世界的流行により、世界中が混乱の渦に巻き込まれました。飲食店や観光旅館業を皮切りに、より多くの業種、業界が被害を受けました。さらには、経済の先行きが不透明のため、消費者の購買意欲も落ち込み、様々な商品の売り上げが減少し、経済という名の歯車が回らなくなりました。
このコロナ禍の中、私たちの住むこの小千谷市も元気と活気がなくなっているように感じます。私は行政や企業ができないことこそが青年会議所のやるべきことであると考えております。2004年、中越大震災の際、私たちの先輩は決して弱音を吐くこともなく、未曽有の地震災害に立ち向かいました。今一度その姿勢を見習い、私たちメンバーは立ち向かい、今度は私たちメンバーがその意気を見せる番なのです。昨年より政府が推進している、三密を避けた新しい生活様式、ニューノーマルに対応したまちづくり活動で、ふるさと小千谷を少しでも元気づけられたらと考えております。
現在、地方社会では少子化、若者の都市部流出、インフラ問題など様々な問題が山積してはおりますが、まずは小千谷市に住んでいる私たちや市民の皆様が「笑顔・元気」でいることが、何よりも大切なのではないでしょうか。経済界で言われていることに習い、青年会議所活動と感染対策の両輪で進めて参ります。新型コロナウイルスは、3年~4年は私たちと共に存在し続けると言われておりますが、ここでウイルスにも負けないまちづくりをすることで、小千谷青年会議所としての自信にも繋がり、より盤石な組織になれることでしょう。
【青年経済人として】
私はこれまで様々なセミナーに参加してきました。その中で、「学ぶ」場はあっても、「学び合い」の場は中々なかったように思います。
「学び合い」とはセミナー後に学んだことを仲間などと共有し、知識を深め合う作業のことを指します。青年会議所は「学び合い」をする絶好の場であり、青年経済人として学び合い、高め合い、協力し合う団体でありたいと考えております。
20世紀と21世紀では、私たちの生活様式や、仕事のやり方も変わってきています。戦後から這い上がろうとした高度経済成長期はバブルと共にはじけて終わり、インターネットの普及とともに構築されてきた社会経済も2008年に起こったリーマンショックによって、各国を恐慌が襲いました。今後我々にどんな試練が襲い掛かるのか、それは誰にもわかりません。しかしいざ問題が降りかかった時、その問題を考察し、決断していく度胸が大切であり、度胸とは経験を積むことによって身についてくるものだと私は考えます。ただ何となく生きていて時間が過ぎても経験は培えません。だからこそ、青年と呼ばれる今が学ぶチャンスなのです。しかしながら、学ぶことが好きではないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。一人で学ぶというのは一歩踏み出すことも大変ですが、青年会議所メンバー同士ならば「学び合い」必ず互いを高め合えると確信しております。
【会員拡大への取り組み方】
私は世の中の仕事とされている種類は、大きく分けて物を「売る」、「作る」、サービスを「提供する」、この3つに分類されると考えております。私は会員拡大が「売る」という仕事と同じであると思っております。何かを売っている業種であれば、当然「売る」商品があるはずです。買っていただかないと売り上げがなくなるわけですから商売として成り立ちません。会員拡大において「売る」商品は小千谷青年会議所です。
青年会議所の魅力の1つに、異業種の集まりであることがあげられます。様々な物の見方や考え方を異なった業種のメンバーと共有することで視野が広がり、切磋琢磨しながらメンバー同士の知識や見識を高めていくことができます。これによって、より魅力ある青年経済人として活躍することができるのです。
地域や会社の先頭に立つべき青年会議所メンバーが、仕事はできるのに会員拡大活動は積極的にできない。これは矛盾した話だと思いませんか。勧誘する相手も人間であります。すなわち、心意気も一緒に売っていくことがとても重要です。どんな商品かも大事ではありますが、誰が売りに来たのか。それぞれのメンバーがどんな想いで青年会議所に入会したのか。信頼関係を構築し「相手の心に語る」べきであると考えております。
青年会議所は40歳までという限られた時間の中で活動を行います。その時間の中でより多くの出会いと経験と、かけがえのない生涯の仲間ができる絶好の場であると私は考えております。一度も足を踏み入れたことがない方はぜひ一度覗きに来てください。必ず自分にない何かが待っています。共にまちづくり、ひとづくりに切磋琢磨することで普段気づけないことに気づくことができ、必ず40歳以降の人生を素晴らしいものにしてくれることでしょう。是非、青年と呼ばれるこの時期に未来への自分へ種を撒いていただきたい。必ず素敵な花が咲くと私は信じております。あなたの第一歩をお待ちしております。
【おわりに】
最後になりますが、今目を背けてはならないことがあります。それは前述でも触れましたが、昨今の新型コロナウイルスの影響によりメンバーの会社、お店も大きな痛手となっているのも現状としてあります。正直、青年会議所として活動している時間もお金もない、といった状況もあると思います。私は、そんな中でも在籍し青年会議所活動に尽力してくれるメンバーに感謝し、鼓舞したい気持ちで一杯であります。私たちは今一度、青年会議所の3信条である奉仕・修練・友情という言葉を真摯に受け止め、メンバー全員で手を取り合い、協力しながら活動していきたい、という想いから「一塊~想いひとつ、心ひとつ~」というスローガンを掲げました。
人は現時点でぶつかっていない壁にいずれぶつかった時、どのように人と手を取り合って事を成していくか。これこそ教科書には決して書いてない、生きた学問ではないでしょうか。
今年度は、絶対的な協力体制が必要不可欠です。私は青年会議所たるが故、青年らしく元気よく会議、事業に思い切って取り組むべきだと思います。そして、大いに馳せようではありませんか。青年会議所には頼れるメンバーがたくさんいます。私はそんなメンバーに囲まれて理事長という職に就くことができ、幸せ者です。
何卒、小千谷青年会議所をよろしくお願いいたします。