【はじめに】
10年前、自分を変えたくて自ら門を叩いて入会をしました。けれど当初は、ただ自分勝手に振る舞い、いつここから逃げ出そうか、そんなことしか考えてなかったように記憶しています。意に沿わないことはやらず、また言葉の端々に疑問を抱き、活動をしない言い訳に使っていました。そんな時にたった一つの「きっかけ」から、私の青年会議所活動は大きく変化をしていきます。「きっかけ」は些細なことかもしれません、ただその「きっかけ」は皆さんに平等に与えられています。それを自分の中でどのように感じ取ることが出来るのかで、「きっかけ」はただの事柄になってしまうのです。当然のことながら社業、家庭、団体の活動をバランス良く行なうのは簡単なことではありません。活動をどのように行なっていくのかを決めるのも自分自身です。ただ皆さんが「自分を変えたい」そんな想いを少しでも持っているのならば、この団体に所属しているメンバーが平等に持ち合わせている大きな魅力を、自らの手で掴み取り、この団体の目指すものとともに歩んでいきましょう。私が今こうしてここにいることが出来るのは多くの「人」のもたらす「きっかけ」に巡り会えることが出来たからです。
【先人からの伝え 〜JC力〜】
たくさんの「人」に出会い、時には叱責され、時には褒められ、「今わからなくても後でわかる」そんな言葉に疑問を感じながらも、「あの人のようになりたい」そんな想いでがむしゃらに背中を追いつづけてきました。私たちの見てきた先輩たちは凛として誇りを持ち、自らが汗を掻き、そして「後輩たちに何かを残さなければならない」、そんな使命感にも似た、熱き想いを感じることができました。もちろん「まち」に対しても。しかし、今の私たちはどうでしょうか。組織に属しながらも「自分らしさ」を言い訳に自分勝手な解釈でJCを語ってはいないでしょうか。自由奔放に振舞う言い訳に使ってはいないでしょうか。組織の中で「自分らしさ」を謳うのであれば、まずこの団体の歴史を知り、基礎を学び、そしてしっかりと存在意義を認識することが必要です。決して独善的ではないJCを語れるようになり、そこに行動が伴ってこその、真っ当な「自分らしさ」を発揮してください。メンバー一人ひとりの真っ当な自分らしさは組織全体の力に変わり、その力は「伝え」るために最も必要なことなのです。「和して同ぜず」という言葉があり、「同」とは意見も考えも持たずに周りにただ同調するという意味です。「和」とはしっかりと自分の意見、考えを持った上で周りと協調をするという意味です。「明るい豊かな社会」を築くという基本理念に基づき活動をする団体です。そこがブレてしまっていては、私たちは「同」でしかなくなってしまいます。「和」を以って事を成すことが更なる力になります。自らが所属する団体への不平不満、そして活動への批評は誰しもがすることができます。しかしそれは自らに向けている言葉だと立ち止まり、活力に変えるべく一歩を踏み出し、行動に移してみようではありませんか。和を以つチーム(団体)が個の力を引き出し、お互いが走る背中を見せ合うことで、仲間に想いを「伝え」ることができるのです。
【まちへの伝え 〜ともにきづく〜】
「まち」は、市民、市民の代表である議会、そこで決まったことを実行する行政が重要な要素であることは間違いありません。「まちづくり」という括りで考えると、環境、文化、産業、経済、都市計画などハード、ソフトを問わず様々な視点で捉えることができます。それではこの団体の謳う「まちづくり」とは何でしょうか。私たちの住むこのまちには、まだまだ改善を行わなければいけない課題がたくさんあります。しかし、その必要性を感じるのも、改善をするのもそこに住む私たちです。そのためには、私たちを含めた市民の意識変革と、この「まち」に必要とされる人材の育成が必要であり重要となります。「まちづくりはひとづくり」とも言われています。だからこそ、この団体の活動や運動で自らを高め、まちに必要な存在になることは「づくり」において重要なことであります。併せて、「まち」に活動、運動の発信をする必要もあります。市民が何を求めているのか、そこに行政や各種団体がどのように携わっているのか、その中でこの組織だからこそ出来る事、すべき事を見出し、「まち」のために継続的に、長期的に活動することが重要です。広い知識と見識を持って実践をする「知行合一」のまちづくりこそがこの団体に課せられた使命です。私たちのまちが豊かであって欲しい、そこに暮す人が明るく笑顔であって欲しい、と願う心は「づくり」に携わる人の共通するところです。その心を活動で「伝え」ることが「づくり」への運動と形を変えていくことでしょう。
【未来への伝え 〜大人の背中〜】
子どもは「大人を映す鏡」であるならば、このまちの未来を担う子どもたちには、一抹の不安を感じることがあります。学校・地域・家庭と三位一体であるべき子ども教育は分断され、そこに関わる大人の存在も共通ではありません。この三位一体のどれかひとつが欠けても真の子ども教育からかけ離れてしまいます。だからこそ教育の環境作りが重要であり、それを改善していくのは私たち大人の役割であります。故に子ども教育とは大人の問題だと認識をしなければなりません。その時代ごとに「最近の若者は・・」と言われ、時代や時の学校教育に責任を転嫁し、自分たちが稚拙であるが故の弊害であるということから、目を背けてきた結果ではないでしょうか。現在のこの「教育」を作り上げてきたのは、その時代の大人たちなのです。そして、この団体に所属している私たち自身がまさに子育て世代でもあり、しっかりとした道徳観、倫理観を持つ、自律のできた真の大人でなければなりません。教育は不変であるがこそ、焦点をしっかりと絞り込み、共通認識と長期的計画性を持って活動しなければなりません。子どもの未来を案じ、今「大人として」の在り方を鑑み、大人自身の意識、行動の変革こそがその第一歩となり道標となるはずです。私たちが真の大人となり、胸を張って子どもに行動を「伝え」ることが、未来を拓きます。
【未来への伝え 〜人材を人財へ〜】
全国的にもこの地域においても、メンバーの減少は深刻な問題です。なぜ深刻な問題なのでしょうか。そして会員拡大は何のために行うのでしょうか。団体としての活動する予算の確保も重要ですが、何よりもまちづくり、自己変革、組織力においても重要なファクターである「人財」に重きをおくべきでしょう。この団体に所属している自らが「JCとは・・・」と語れず、先人から受け継いできたであろう誇りを語れず、活動に対して熱く想いを語ることが出来ないから、減少に歯止めがかからないのです。想いが伝わらないから「人財」はこの団体に魅力を感じることなく、入会の意志を固めてくれないのではないでしょうか。とともにこれからのこの団体の現状から目を背け、他人事のように会員拡大の必要性を受け流してはいないでしょうか。これから3年間の間に何人のメンバーが卒業し、約何人のメンバーが残り、活動を継続していかなければならないのかを答えられないことが、すでに問題だと感じます。自らがこの状況に危機感を持ち、自らを高めるため、そして活動をより活性化するために「人財」を集う。そしてその人材に、現在活動をしているメンバーが経験と責任とそして和を以って導くことで、自らにも組織にも、そして「まち」にとっても、かけがえのない「人財」へと変化を遂げると確信をしています。在籍年数の残り少ないメンバーは後輩のために、そして今後を担うメンバーは自らのために、この団体で体感している魅力を熱く、熱く「伝え」る事が、この組織の未来のためであると信じています。
【感謝の伝え 〜原点〜】
私たちがこの団体で行う事柄には、誰かがどこかで必ず時間を費やし、もがきながらも前に進むことで、事が成り立っています。そして周りに協力してくれている人がいるからこそ成り立っています。これはひとつの会議でも、事業でも、懇親会でも全てにおいて言えることです。「誰かがどこかで」を忘れずに、成り立つことへの感謝を忘れないでください。
そして現在活動できているのは、メンバーはもとより55年の歴史が礎となっています。先人たちが残してきた足跡、精神、誇り、そして心をしっかりと受け継ぎ、前に進むことが出来ていることへの感謝を忘れないでください。そしてその活動を支えているのは当然のことながら会社という基盤があるからなのです。世襲にて会社を引き継いだ人が大半だと考えます。その私たちは社会から正当な評価も得ずして、会社内においての地位を与えられてきました。それに甘んじることなく自らを切り拓き、自らを高め、持ち帰ることこそが、会社への恩返しでもあり、感謝の表れなのだということを忘れないでください。そして何より私たちはこのまちで生まれ、このまちに育てられてきました。まちの真ん中を日本一の河が流れ、その大河を囲むように町並みは形成され、それを山々が囲む雄大な自然を、今では当たり前のように感じてはいないでしょうか。今一度、生まれ育ったこのまちの素晴らしさに感謝し、そしてこのまちの「づくり」に携わる事が出来ることに感謝を忘れないで下さい。感謝の「伝え」こそが、私たちの活動の原点なのです。
【おわりに】
近年、全国的にはたくさんの団体の中のひとつに数えられるようになり「JCがある時代」から「JCもある時代」だと言われるようになりましたが、このまちにおいては「JCがある」のだと誇りをもっております。私たちは先人からの歴史を引き継ぎ、熱き心を受け継いで今に至ります。これはJCという団体だからこその事といえるでしょう。そして能動的に行動をおこすために「対話と議論」を重ね、自らのそしてこの団体の立つべき所をしっかりと見極めて活動をしてきたからこそ、時代にあった「JCがある」このまちで活動をし続けることができるのです。和を以つ同志が事業を通じ、いくつもの苦難を乗り越え、感動をともに分かち合う、その経過を辿ることで、お互いを認め合い、誇らしく感じ、感謝することで「人」に出会い、それが一生の宝へと形を変えていく。まずは自らのために一歩だけ前に進んでみましょう。それが変革の能動者たる所以です。今まで見えなかった何かが見えるはずです。何が成功で何が失敗なのかは、周りの皆が決めてくれます。小さくならずに胸を張ってしっかりと前を向いて。そして信念をもって私たちの手で変えられる何かを追い続けましょう。その何かを見つけるのは私たち自身なのです。恐れることは何もありません。ともに歩みましょう。未来は僕らの手の中にあります。
事業計画
・人財育成と活動の活性化のための12名以上の会員拡大
・人間力向上と自律するための取り組み
・倫理道徳に焦点を絞った「大人の背中」を確立するための事業と取り組み
・未来を担う子どもとともに歩む事業と取り組み
・市民とともに歩む事業と取り組み
・卒業生によるJC魂の伝え事業
・年間を通じての独善的ではないJCを語れるようになるための取り組み
・おもてなしの心を持った小千谷流ブロックゴルフ大会の企画・運営